
「広いバスルームで足を伸ばしてゆっくりバスタブに浸かりたい!」と思っても狭小住宅で広いバスルームをつくることが難しいのが実情です。ですが、限られたスペースの中で快適なバスルームをつくることはできます。
バスルームの工法やバスタブのサイズ、バスルームをつくるポイントについて解説しています。
バスルームをつくるのに在来工法・システムバス・ハーフユニットバスの3つの工法があります。それぞれについてみていきましょう。
在来工法は昔からある工法で規格がありません。一からつくり上げていくため、建材の種類、バスタブや水栓、窓の大きさや位置など好みに合わせて選択することができます。ヒノキ風呂や大理石の浴槽をつくることも可能です。バスルームにこだわりたい人には良い方法なのですが、工期が長くコストがかかります。
システムバスは日本で多く採用されている工法です。あらかじめ作られたバスタブや壁パネル、棚などを組み立てるだけでバスルームが完成します。機能性は高いですが、デザインの自由度はありません。デザインの細部にこだわらない人やできるだけコストを抑えたい人におすすめです。システムバスはなんといってもお手入れが楽で、掃除にかかる時間を短縮することができます。
床と浴槽部分はシステムバス、壁と天井の仕上げは在来工法と2つを組み合わせたのが、ハーフユニットバスです。工期が短く、コストを抑えることができ、内装のデザインを自由に決められます。北側斜線に制限があり天井の高さが十分ではない、デッドスペースを利用した変形の浴室など、狭小住宅にありがちなケースにも柔軟に対応します。
システムバスは浴室の坪数によってバスタブのサイズが決まります。一般的なサイズ1坪または1.25坪、0.75坪は狭小住宅向きです。小さな子どもがいる、介護をしている家族がいる場合はゆったりしたスペースが確保できる1.5坪がおすすめです。
坪数別のバスタブのサイズは以下のとおりです。
参考元:株式会社ホープス公式HP(https://archi-hopes.co.jp/little-house-column/2018/12/03/%E7%8B%AD%E5%B0%8F%E4%BD%8F%E5%AE%85%E3%81%AB%E3%81%82%E3%81%86%E5%80%8B%E6%80%A7%E7%9A%84%E3%81%AA%E3%83%90%E3%82%B9%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%83%A0/)2023年9月時点
活用できるスペースが限られている狭小住宅の場合、広いバスルームを設置するのは難しいです。そこで、「バスルームとトイレは別」という考え方を変えてみてはどうでしょう。バスルームと脱衣所、トイレを一体化した設計にし、ガラス扉にすればバスルームが広々とした空間になります。扉を付ける場合は壁と扉の色を同色にしたシンプルなデザインにするのもいいでしょう。白い壁と扉は清潔感があるため、バスルームとトイレには適した配食です。
夫婦2人、乳幼児がいる・小さな子どもがいる・高齢者のいる家庭など、家族構成を考えてバスルームを設計しましょう。入り口はおもに「折れ戸」「開き戸」「引き戸」の3種類です。折れ戸はコンパクトな開閉が可能で、開き戸は故障しにくく、引き戸は介護に向いている、といった特徴があります。
寝室を2階、バスルームを1階にすると、乳幼児がいる家庭の場合、入浴の準備や寝かしつけのとき何度も階段を上り下りする必要があります。バスルームを同じフロアにすることで時間短縮になります。
バスルームを2階に設置した場合、施工費用が割高になる、下の階に音が響くといったデメリットがありますので、リビングダイニングの真上に設置しないなど工夫が必要です。
毎日の家事を少しでも楽にするためには、生活スタイルや家事導線を考えてバスルームを設置しましょう。例えば、バスルームの脱衣所に洗濯機を置く場合、洗濯物を干すベランダに近い位置にすると、洗濯をしてから干すまでの移動がスムーズです。乾いた洗濯物は脱衣所の棚に収納すると、家事がもっと楽になります。食事の用意をしながら洗濯をする人はキッチンから移動しやすい位置に設置してください。
窓を多く設置して自然光を取り入れると、開放感のあるバスルームが作れます。風通しを良いとカビ対策にもなります。ほかにも浴槽と洗い場の高さや棚の高さを低めにするとバスルームが広く見えます。
デザインやカラーを統一すると、おしゃれなバスルームになります。メーカーのカタログや雑誌、Instagramなどを参考にして大まかなデザインを決めましょう。イメージ合わせて壁や床、浴槽の色を選びます。
浴槽の色は汚れや水垢が目立たない色が良いでしょう。浴室の壁や浴槽を黒にすると汚れが目立ちますので掃除が大変です。目立ちにくい色はグレーやブラウン、ブルーです。黄色や白色が混じったブラウンやブルーにするとより目立ちにくくなります。白は髪の毛やピンクカビが付くと目につきやすくなります。開放的な雰囲気にするならホワイトカラー系やパステルカラー系を検討してみてください。
狭小住宅でも快適なバスルームは作れます。狭小住宅でおすすめのバスルームの大きさは0.75坪、バスタブのサイズは1216サイズ・1217サイズ・1317サイズ。バスルームにトイレや脱衣所を設置したり、デザインやカラーを統一したり、生活スタイルに合わせて家事の負担を軽減、窓を多く設置して開放感のあるつくりにするなど、工夫してみてください。理想どおりにはならなくても、理想に近いバスルームが実現します。