
寝室は一日の疲れを癒す場所です。狭い部屋にベッドを置くと余計に窮屈さを感じます。狭小住宅でも快適に過ごせる寝室づくりのポイントについて解説します。
狭小住宅は横に広げられない分、縦の空間を有効活用しましょう。寝室は扉を作らずに、吹き抜けと階段でつなぎます。吹き抜けの高い窓から部屋全体に自然光が入り明るくなります。階段をスキップフロアにすれば、下部を収納として活用することも可能です。狭小住宅は収納スペースが少ないため収納スペースがひとつ増えることになります。大きな吹き抜けとスキップフロアを取り入れた寝室にすると、開放的な間取りになります。
西の窓は西日が入ると部屋の温度が下がりにくいため寝室としては不向きです。とくに夏場は熱がこもるため、寝る前にエアコンをつけておかないと部屋の中に入っていられません。東の窓は朝日が射し込み目覚めの良い朝が迎えられます。1階の北側に窓を設置すると日当たりがよくありません。
道路側では人の声や騒音が気になります。隣家に面していれば人目が気になり、朝カーテンが開けにくかったり、夕方早めにカーテンを閉めることになったりして気をつかいます。視線が気にならないような窓の位置や大きさにしましょう。
着替えをする部屋でもある寝室には衣類収納が必要です。置き型の収納家具は場所を取るため、ウォークスルークローゼットがおすすめです。ウォークスルークローゼットは出入口が2か所あり通り抜けができますので、廊下と寝室どちらからも出入りすることができます。
ウォークスルークローゼットが難しい場合は、ウォークインクローゼットやベッドの下も収納として利用する方法もあります。寝室は必要最小限の家具と物を置くようにすると狭さも気になりません。
ロフトを寝室として活用する方法もあります。圧迫感があるため天井はできるだけ高い方がいいのですが、建築基準法で「1.4m以下」(※)と定められています。
ロフトは空気の循環がよくありません。窓を設置して風通しを良くする、エアコンと併用して扇風機やサーキュレーターで空気を循環させるなど暑さ対策が必要です。上り下りが面倒な人には不向きで、落下事故のリスクもあります。ロフトは「広い部屋よりも程よい狭さが落ち着いて眠れる」という人に向いています。
※参照元:株式会社アエラス公式HP/ロフトとは?使い方のポイントやメリット!狭い部屋にもおすすめ(2019.03.27投稿)(https://www.aeras-group.jp/column/a288916/)
暖かみのあるやわらかな照明にすると気持ちもリラックスします。寝室を広く見せるには照明スタンドではなく、天井や壁を利用した間接照明がおすすめです。
下がり天井に間接照明をつけて部屋全体を照らしたり、壁に凹凸をつけて間接照明を設置したり、また、ベッドの床の隙間に間接照明をつけますと足元が明るくなり、夜中にトイレに行く時などに便利です。おしゃれな寝室にするには、壁にカバー付きのブラケットライトを取り付けてみてください。
寝室にカーテン付きの窓を設置するなら、カーテンレールを高くしてみてください。カーテンレールの設置位置が上がると天井が高く感じ、カーテンを長く吊り下げることで縦のラインが長くなり部屋を広く見せることができます。
部屋のカラーは派手な色よりも落ち着いた色で統一します。壁や天井、床(ベースカラー)は白や薄いベージュ、白に近いグレーなど明るい色がおすすめです。明るい色は膨張色でもあるので、空間の広がりが生まれ部屋全体を広く見せることができます。寝具やカーテン、ラグ(メインカラー)はベースカラーより少し濃い目の色を選びましょう。
ベッドは背の低いものを選ぶと部屋がスッキリ見えます。このようにな工夫をして快適な寝室をつくりましょう。
お気に入りのベッドを買ったのに、「想像していたよりも大きくて部屋に搬入するのが大変だった」ということにならないように、階段やエレベーター、ドアを通れるか、確認してください。部屋に入れた時に回転できるのかも忘れずにチェックしておきましょう。狭小住宅ではベッドを置いてみたけれど、違う向きに配置替えをしたいときにできないおそれも出てきます。
ベッドのサイズを確認したら、動線を確保できるのかもチェックしてください。ベッドが動線をふさいでいませんか?クローゼットや扉の開閉の妨げになっていませんか?動線は部屋を快適にできるかどうかの大切なポイントです。きちんと確認しましょう。
いつ地震が起きるか分かりません。就寝中に地震が起きたときのことも考えて、倒れやすい家具は配置しないようにしてください。ベッドの周りに家具を置かざる得ないときは、移動や転倒を防ぐためしっかり固定しましょう。狭小住宅の寝室には耐震性に優れた壁面収納家具がおすすめです。
壁面収納には天井までたくさん収納できる突っ張りタイプや壁にピタッと貼り付けるように使う薄型収納タイプなどさまざまなタイプがあります。壁面収納家具の導入も検討してみてください。
狭小住宅でも工夫次第で快適な寝室はつくれます。吹きぬけやスキップフロアを設けると部屋が明るくなり開放的な間取りになります。窓を東向きに配置すると目覚めも良いでしょう。
ウォークスルークローゼットは廊下から寝室へと通り抜けができますので便利です。ロフトという選択肢も視野に入れてみてください。ベッドを置くときは階段やエレベーター、ドアを通れるか、動線を確保できるのかもチェックしましょう。地震対策には耐震性に優れた壁面収納家具がおすすめです。寝室をつくるときはポイントや注意点を参考にしてください。